全ての取引でインボイスが必要なの!?~こんな場合はインボイスがなくても大丈夫!~

この記事で分かること
・インボイスは全ての取引で必要なのか?
・帳簿のみの保存の場合の記載事項について


前回はインボイスの概要を教えてくれてありがとう。
前回の記事はこちら↓

ところで、インボイス制度がはじまると、全ての取引で相手からインボイスをもらわないといけないのかね!?

自販機で飲み物の差し入れをした場合とか、従業員の出張時の日当だとか、そんなものまでインボイスが必要となったら、自販機からインボイスが出てくるのかね??

ご安心ください!取引によっては帳簿のみの保存の特例制度があるんです!
帳簿のみの保存の特例制度とは

インボイス制度が始まると、全ての取引で相手からインボイスをもらわないといけないのかと言うと、そうではありません。
以下に当てはまる取引の場合は、帳簿のみの保存の特例制度があります。
帳簿のみの保存の特例制度が適用できる取引
① 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)
③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)
国税庁軽減税率・インボイス制度対応室
「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf#page=104

あれ、そういえば今も請求書等の保存が要らないケースがなかったっけ!?

ございます!次に説明します。
現在の請求書等の保存がいらないケース
現行では、税込みの支払額が30,000円未満の場合、請求書等の保存は不要で、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで良いとされる特例があります。
先ほどの自販機の例もそうですし、それ以外にも3万円未満の支出があった場合は請求書やら領収書の保存が必ずしも要りませんでした。
インボイス制度が始まると、それが①と⑦だけになってしまいます。
重要ポイント!
インボイス制度が始まると以下の取引だけが帳簿の保存のみの特例となります。
① 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等

これまでネットショップでカード決済した場合、「3万円未満だし、領収書でないけど、クレジットの明細でるからいいか!」としていた場合でも、これからはそれが通用しなくなりますので、領収書は取得するようにしてくださいね!
詳しい内容を知りたい!
③古物商を営む者の帳簿の記録方法について(後日記事をアップ予定)
⑨従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等について(後日記事をアップ予定)
帳簿の具体的な記載事項

で!帳簿の記載事項は具体的に何が必要なの!?インボイスが無い分、この記載事項は漏れが無いようにしっかり把握しとかなくてはな!

はい!次の6項目を記載する必要がありますので、経理部の皆さんにもしっかりご説明させていただきますね。

⑥ 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
例:摘要欄に「3万円未満の鉄道料金」と記載したり、「※」「★」等のマークを用いたりして、帳簿のみの保存であることを分かりやすく区別していても大丈夫です。
ちなみに①~④はインボイスが在る場合でも必要な事項です。
インボイス制度が始まった場合の帳簿の記載事項(後日記事をアップ予定)

つまり、インボイスが無い場合の特例としては、⑤と⑥ということだね!

ふぁ!?住所!?え、日当を支払った場合は、従業員の住所を帳簿に書くのかね!?

日当の場合には従業員様のご住所を記載する必要は免除されているんです。

えー。特例の特例的な?ちょっともう訳分からんな。

そうなんです細かな特例も適用を受けるための細かなルールを見落としてしまうと大変ですので、予め社内のルールの仕組みを作っておきましょう!その際には是非私たちにお声がけください!

また、取引先の事業者様に関与税理士がいない場合には、ぜひご相談ください!
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